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属和音〜主和音の奥深い世界 5

5. おさ丸が100人? おさ丸指数!  

さらにいろいろな題材によって、音楽の捉え方を深めていきましょう。

ベートーヴェン「エリーゼのために (冒頭部分)」

エリーゼのために.png

 この譜面部分には、多くのドミナント→トニックの形が出てきますが、いろいろなトニックへの収まり方が考えられるようです。

 

この部分には多くのドミナント→トニックがあり、各ドミナントはいろいろなニュアンスを持ちつつトニックに収まります。これからのみなさんは、100人くらい並ぶおさ丸君から、最適なタイプを1人選別するのです。恋人を見つけるくらい難しいです、はい(笑)

和声的にはそれほど複雑ではありません。それどころか、冒頭から 22小節までは転調も含め、トニックとドミナントのみで成り立っていること、そしてそれらが全て基本形同士の連結であるという特徴を持ちます。ですから転調部分も含め、幾度となく来るトニックをどう弾くか。

 

解釈の強要はしたくないので、ヒントとなりそうなことを少しだけ。

 ・リンク先に書いたように、2小節目ラ音は「やや」おさ丸〜おな爺

  ・4小節目トニックも、おさ丸で弾くことは可能です。(私もここのおさ丸、好

 きです。)しかしメロディがシから ドに上がる分、少し緊張感を高める解釈も      

 可能でしょう。

  ・バスラインが跳躍して運動性豊かであることを考え合わせると、フレーズの印 

  象にも影響を与えると考えられ、おさ丸は要所で使いたいという解釈も出来る

  でしょう。

 

いかがですか。このように、どう解釈するかで個性が出せそうですね。

さてさて毎回同じようなおさ丸でお辞儀ばかりではちょっと、、、とお悩みの方に朗報です(?)。。。。。

先ほども書きましたが、曲のスタイルによってはおさ丸が100人いたって良いのです。例えばおな爺を100として、それよりほんのちょっとおさ丸で90、かなりおさ丸で60、ちょっとでもサマランなら105、 熱情ソナタ第1楽章17小節目の(subito)ffなら200とか。こんな数値化を「おさ丸指数(Osamaru-Index) 」と名付けます。面白がれる人 なら、うん、この音形さっきはおさ丸指数95で弾いたから、2回目は90かな、なんて使っても良いですし、ちょっとこっぱずかしい、子どもだまし、音楽を数値化なんて納得いかない、という方は無視してください。納得のいく解釈には明確な理由があってナンボのものなので、おさ丸指数を90にするか95かなどは、誤差の範囲とも言えます。本当は、おさ丸指数などは遊び心で楽しんでいただきたいものですが。

 

おさ丸ばかりではお辞儀しているようで抵抗があるという方も、度重なるおさ丸に対してほんのちょっと差をつけるだけで満足できることはあります。そんな例を見てみましょう。

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